高校の評定平均って何?
どうやって評価されてるの?
大学受験にどう影響する?
高校になると教科ごとに科目数が増え、定期テスト対策も中学の頃と比べ難しくなります。
成績表も科目ごとに分かれ見ごたえはあるものの、いまいち評価の観点がよく分からない。
大学受験にどう影響するのかも気になりますね。
そこで現在、2人の大学生の親である私が『高校の評定平均』についてお伝えします。
この記事をお読みいただくと
- 高校評定の正しい知識
- 高校評定が大学受験にあたえる影響
- 評定をより多く上げる方法
がわかります。
成績表の見方や評定について正しく理解しておくと、お子さんの大学受験期に余計な心配をしなくてすみます。
できるだけ分かりやすく説明しますので、参考にしてみてください。
平成32年度より高等学校での学習成績を全体的に把握する趣旨を明確にするため、「評定平均値」の呼称を「学習成績の状況」に改める。
文部科学省:平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告の改正について より引用
上記のように現在は「 評定平均値 」→「 学習成績の状況 」と文部科学省より改称されています。
そもそも高校の評定平均とは?
まず、高校の評定とはそもそも何なのか・・ということですが、率直に“成績”を意味します。
1~5までの数字で評価され、1年から3年の出願するまでの評定の合計を、3年までに履修した全科目数の合計で割ったものが評定平均です。
では実際に計算してみましょう。・・・とその前に!
評定平均の出し方については色々な説がありまして・・・正しくは
高1の学年末の評定の合計+ 高2の学年末の評定の合計+ 高3の出願前までの評定の合計÷高1~高3出願前までに履修した全科目の合計=評定平均です。
3学期=学年末という意味で、3学期は1~2学期の成績も含まれた評価になっています。
うちの子供たちの高校は、3学期と学年末の2項目に分かれて評定が出されていました。
ですが、評定平均の出し方によっては多少の誤差がでます。
特に推薦入試については、評定平均はとても重要になってくる部分ですので、高校の担任の先生や進路指導の先生などに正しい計算方法を聞いてみることをおすすめします。
それでは高1の評定平均をだしてみましょう!
以下の表は、学年末を指しているものとします。
科目名 | 国 総 | 世史A | 数 Ⅰ | 数 A | 化 基 | 生 基 | 体 育 | 保 健 | 音 楽Ⅰ | コ英Ⅰ | 英表Ⅰ | 社 情 |
評 定 | 5 | 4 | 5 | 4 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 | 4 | 4 | 5 |
科目は全部で12あり、評定をすべて足すと43あります。
評定の合計43から科目数の合計12で割ると
43÷12=3.58 小数点以下第2位を四捨五入するので3.6
よって、高1の評定平均は3.6になります。
同じく高2の評定平均もだしてみましょう。
科目名 | 現文B | 古典B | 地理B | 現 社 | 数 Ⅱ | 数 B | 物 基 | 化 学 | 体 育 | 保 健 | 音 楽Ⅱ | コ英Ⅱ | 英表Ⅱ | 家 基 |
評 定 | 4 | 4 | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 5 | 4 | 4 | 3 | 4 | 5 |
科目は全部で14、評定をすべて足すと57あります。
評定の合計57から科目数の合計14で割ると
57÷14=4.07 小数点以下第2位を四捨五入するので4.1
よって、高2の評定平均は4.1になります。
ここまでお分かりいただけましたか?
高3の評定平均の出し方は少し注意が必要です。
それは大学への出願時期によって評価の対象となる高3の成績範囲が違うから。
分かりやすく言うと、
・推薦入試は高3の1学期まで
・一般入試は高3の2学期まで
・高卒性(浪人生)は高3の3学期まで
が、成績の対象範囲となります。
ここまで高1と高2の評定平均を出しましたが、これに高3の成績を加えると3年間の評定平均が計算できます。
でもこの“評定”というものを、先生がどのような観点でつけているのか・・という疑問が率直に湧きませんか?
実はこの評定をつける基準というものは、一定のルールはありません。
それぞれの高校で基準を設けてよいのです。
例えば定期テストとそれ以外の要素(授業態度・出欠・提出物・小テストなど=平常点)の割合は
進学校 → 定期テスト8割:平常点2割 又は 定期テスト9割:平常点1割
中堅校 → 定期テスト7割:平常点3割
底辺校 → 定期テスト6割:平常点4割
だったりします。
ガッツリ勉強重視の学校は実力勝負で、そうでないところは平常点で救済しますよ・・といった感じですね。
ただ2022年度から高校で実施される学習指導要領には、授業で3観点といわれる「知識及び技能の習得」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力・人間性」の育成を目標とすることが決まっています。
今後の評定もこの3観点が習得されているかどうかが、定期テスト以外で見られるということになるのでしっかりおさえておきたいですね。
また成績を5段階ではなく10段階で表示する高校もあります。
学年末に5段階に変えて表示されたりするところもありますが、自分で計算しないといけない場合は各高校で評価の基準が違うため、詳しくは学校の先生に尋ねてみてください。(8,9,10が評定5 または9,10が評定5など・・・)
この評定平均が大学受験にどう影響する?
ここまでお話しした評定平均についてですが、1番影響を受けやすいのが学校推薦型選抜(旧:推薦入試)や総合型選抜(旧:AO入試)というものです。
中でも学校推薦型選抜は、指定校制(旧:指定校推薦)と公募制(旧:公募推薦)に分かれます。
う~ん、分かりにくい・・・。
ちょっとややこしいですね。おおまかに言うと以下の通り。
学校推薦型選抜
【指定校制】→大学側から高校が指定されている。学校長の推薦が必要。枠は数名しかないが、選抜されればかなりの確率で合格できる。評定平均はかなり重要。
【公募制】→大学側からの指定はないが、大学の規定以上であれば出願できる。学校長の推薦は必要。評定平均はそれなりに重要。
総合型選抜
大学からの指定もなく学校長からの推薦状もいらない。大学側の求める学生像に合った人物を採用する。評定平均は○○以上と指定される場合もある。評定平均はそこそこ重要。
このように推薦のなかでも指定校制は、基準となる評定平均が4.0以上など高めであることが多く難易度が高いのですが、枠を勝ち取ることができればほぼ合格できます。
ですが学校を代表して大学に行くわけですから、その後勉強をおろそかにしたり、期待通りの生徒ではなかったと判断されると翌年の指定校枠が減らされたり、取り消される場合もあるので注意が必要です。
指定校制や公募制は全科目の評定平均とは別に、特定教科の評定平均を指定する大学もあります。(全体の評定平均は4.0以上で、英語は4.3以上など)
教科ごとの評定平均は、高1から高3までの指定された教科すべての評定を足して、科目数で割ったもの。
専門分野に関連のある教科の評定平均を個別に見たいわけですね。
総合型選抜は主に書類選考・面接・小論文などによって選抜が行われます。
一見 “学力は関係ない” と思われがちですが、近年は何らかの方法で学力が問われる傾向にあります。
私立大学では約半数以上が推薦入試など学力試験を課さないで入学する学生が多いことで、その大学の質の低下が問題視されています。
そういった問題を払拭させるべく、質の向上を図りたい大学は今後も積極的に “学力の問い” に対して力を入れていくことでしょう。
一般入試は高校の評定平均は関係ないのか?
推薦入試については評定平均は重要であると述べましたが、一般入試はどうでしょう?
これについては多くの方が「あまり関係ない」と言われます。
確かに、推薦入試ほど評定平均が合否に直結するということはありません。
ですが、うちの娘の某国立2次試験のときは・・
個別学力試験 | 学科試験なし(260点満点) 【小論文】(100) 【面接】(60) 【調査書】(100) |
---|
というものでした。
2次の配点比率は3割もないのですが、調査書の割合が結構高いことにいち早く気づいた娘は学校の成績はそこそこ良かったので、ここをうまく利用して見事合格をゲットしました!
あと稀に関係あるとすれば、2次試験の合格ボーダーラインぎりぎりの人が数名いる場合、調査書の内容で判断される事があります。
一般入試といえども、やはり高校の成績は良いに越したことはありませんね。
【調査書とは】
高校3年間の成績や学校での生活態度、健康状態、取得した資格などについて記述した書類のこと。
この調査書は大学受験時、すべての大学において提出が義務づけられています。
これまで説明してきた評定平均についても、この調査書に高校の成績として記載されます。
ではなぜ高校の成績などあまり関係のない一般入試に調査書の提出が必要なのか・・・ということですが、これは成績を見るというより卒業見込み者であるのか、卒業できるだけの単位はしっかりとれているのかを判断するために提出するのです。
高校のレベル差による評定平均は大学受験の時、加味されるの?
普通に考えるとレベルの高い高校と低い高校では、同じ評定4.2だとしても内容が違ってきますよね?
大学受験時には高校のレベル差についてどう判断されるのでしょうか?
確かにそこ気になる!
指定校推薦の場合、指定する高校や学科によっては評定平均値の基準を変えている大学もあると言われています。
また指定校推薦はどこの高校にでもあるわけではありません。
特に有名大学の指定校推薦は、比較的レベルの高い高校などに多く割り当てられていたりします。
そういった点から言うと、この一見不平等に思われる評定への見方も、必ずしもそうではないということが言えますね。
一方公募推薦の場合は、どちらの高校の評定平均値も原則的には同じ扱いをしています。
ただ大学によって高校の学力レベルの差や評定平均値を、どの程度重要視しているのかは異なりますので、一概にも全く影響していないとも言えない部分があります。
その高校のレベル差による基準を明確にしたものがないため、大学側も公にすることはしないようです。
高校の評定平均は0.1でも多いもん勝ち!少しでも点を上げる方法とは?
ここまで、評定平均が大学受験にどれほど大きく関わるかをお伝えしてきました。
特にお子さんが推薦での入試を考えているのであれば、少しでも評定を上げてもらいたいですよね?
以下に、評定平均を少しでも上げるためのコツをまとめました!
・高1の一学期から全力で定期テストを頑張る
・副教科に手を抜かない
・定期テスト以外の要素(平常点)にも力をいれる
・まんべんなく頑張るよりピンポイントで絞り込む
補足をします・・・。
・高1の一学期から全力で定期テストを頑張る
勉強は高学年になるほど複雑になり難易度も上がります。
高1では基礎をしっかり定着させる時期ですし、1学期の初めのテストからいきなり難問ばかり出す先生はいないので、意外と高得点が取りやすい!
それに推薦入試の場合は高3の1学期までしか成績に反映されないので、2回のテストだけでは挽回が難しいです。
このことから、高1のうちにしっかり点を稼いでおきましょう。
・副教科に手を抜かない
副教科は受験科目でないことがほとんどなので、主要科目ほど力を入れない人が多いんです。
しかし副教科も主要教科も評定は同じ比重ですよ!
内容も頭を抱えるほど難しくはないので、副教科こそ評定を上げる最適な科目です!
・定期テスト以外の要素(平常点)にも力をいれる
前にも述べましたが、評定は定期テストの点数だけで評価されているわけではありません。
平常点とよばれる授業態度・出欠・提出物・小テストなども含まれます。
高校の成績表にも、関心・意欲・態度と書かれている欄がありますね。
ここがA評価ではない人は、まずここを改善しましょう。
授業中に寝てしまっている人は、ここの評価は良くないはず。
先生は意外と気づいていますよ・・・。
・まんべんなく頑張るより ピンポイントで絞り込む
これは裏技的なものですが、例えば全体の評定を1上げたいときに
評定4→5へ上げる場合と3→4へ上げる場合とでは、後者のほうがハードルが低いですよね?
今の状態をキープしつつ評定を上げれそうな科目に的を絞って頑張りましょう。
まとめ
いかがでしたか?
高校の評定平均について、少しは参考になりましたでしょうか?
大学受験は本当に奥が深くて難しそうで、親から見てもハードルが高く感じますが、正しい情報を早い段階で知ることができれば、我が子の第一志望合格へも一歩近づくと思います。
いざ自分の子供が大学受験期になった時に慌てなくてすむように、親としてもできる限りの知識と情報は備えておくべきだと私は思います。
その先にある子供の笑顔が見たいですものね!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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