評定平均 高校のレベルで扱い変わる?
偏差値の高い高校は不利?
確実に評定を上げる方法は?
高校生活を評価するときの指標にもなる『評定平均』
推薦型入試の出願条件としても利用されるだけに『対策に余念がない』高校生も多いはず。
そんな『推薦型選抜』でどうしても大学に合格したいあなたへ
- 評定平均は高校のレベルで扱いが変わるのか
- 確実に評定を上げる方法
- 高校の評定平均の正しい出し方
など、知って得する情報をお届けします。
この記事をお読みいただくと
戦略的に評定を上げる方法
もわかります。
推薦型選抜で大学合格をめざすあなたには必見の内容です。
【結論】評定平均は高校の『レベル』で扱いは変わらない
結論からいうと、評定平均は高校の『レベル』によって扱いが変わることはありません。
厳密にいえば、大学側が公にしないため『誰にもわからない』というのが正論
ですが
☑ 言及している大学がないこと
☑ 高校のレベル分けが容易でないこと
から、評定平均は高校の『レベル』で扱いが変わることはないと、世間一般でいわれます。
以下より
- 公募推薦・総合型は高校のレベル関係なく同評価
- 指定校推薦は高校のレベルで『条件』が変わる
についてご説明します。
公募推薦・総合型は高校のレベル関係なく同評価
学校長の推薦が必要となる学校推薦型選抜の『公募推薦』
必要としない『総合型選抜』(旧AO入試)
評定平均はいずれも高校のレベル関係なく同じ評価で扱われます。
理由としては、志願する多数の高校を『何を基準に優劣をつけるのか』判断が難しいからです。
となると
偏差値の高い高校は不利なんじゃないの?
という問題について。
難易度の高い授業をおこなう高校より、易しい問題を扱う高校のほうが高い評定ををとれるのも確か。
結果『不利になる』という説は否めません。
指定校推薦は高校のレベルで『条件』が変わる
指定校枠が決まれば、高い確率で合格できる『指定校推薦』
指定校推薦は、公募推薦や総合型選抜とちがい、高校のレベルで『条件』が変わることがあります。
条件とは
- 高校のレベルで募集人数を変える
- 高い偏差値の高校 → 評定 3.8 以上
低い偏差値の高校 → 評定 4.2 以上など、評定基準を変える
といった、大学側が『高校のレベル』で募集条件を変えること。
とくに難関大学などについては、偏差値の高い高校に募集枠が集中します。
偏差値の低い高校には指定校の枠すらこないことも…
指定校の校内争いは必須ですが、指定校推薦に関しては偏差値の高い高校が優遇されるのも事実です。
【高校の評定平均】確実に点を上げる方法5つ
高校の評定平均を確実に上げる方法がこちらです↓
- 自校の評定基準をしっかりと把握する
- 高1、高2のうちに評定を稼ぐ
- 成績以外の『平常点』で高評価をもらう
- 副教科も手を抜かない
- 評定の低い教科に力を入れる
以下より順にご説明します。
①自校の評定基準をしっかりと把握する
高校の評定平均を確実に上げるためには『自校の評定基準をしっかりと把握すること』が大切です。
高校の評定基準は全国統一ではなく、各学校により定められています
2022年度(令和4年度)より高校では『学習指導要領』が改訂。
学習評価の観点が、次の3つに整理されました。
- 高校 3つの観点別評価
- ☑ 知識・技能
☑ 思考・判断・表現
☑ 主体的に学習に取り組む態度
これらの観点別評価は『A・B・C』の3段階で評価され
☑ A・B・C の組み合わせで総括する方法
☑ A・B・C を数値に置き換えて総括する方法
など、ほかにも評定を総括する方法は、各学校によりさまざまです。
- 評価A → 十分満足できる
- 評価B → おおむね満足できる
- 評価C → 努力を要する
ABCの観点別評価は全校・学年あるいは教科・科目ごとに分かれる場合もあります。
息子高3時の体育では、以下のような基準でした↓
学校から評価基準の説明を受けていない場合は、担任の先生や教科・科目の先生にたずねてみてください。
②高1、高2のうちに評定を稼ぐ
高校の評定平均を上げるためには『高1、高2のうちに評定を稼ぐ』ことも重要です。
自己学力を見られ、かつ評定にも大きく関わる高校の定期テスト。
推薦型選抜は『高1の1学期~高3の1学期』の成績が評価対象となるため、3学期制でいえば
☑ 1年次の定期テスト → 5回
☑ 2年次の定期テスト → 5回
☑ 3年次の定期テスト → 2回
合わせて計12回のテスト結果がとても重要になります。
確実に評定を稼ぐためには
高1の1学期からスパートをかけること
まだ内容もそこまで難しくなく、どの教科も比較的高得点が見込めます。
かりに少々テストの成績が悪くても、高1高2のうちはリカバリーも可能
逆に高1高2のうちに評定を稼いでおかないと、難易度の高い高3の定期テストでは挽回できない可能性大です。
③成績以外の『平常点』で高評価をもらう
高校の評定平均は、定期テストなどの成績のほか『平常点』も評価基準の対象となります。
- 平常点とは
- 授業の出席率/授業態度/小テスト/提出物/授業への関心意欲 など、定期テスト以外で評価されるもの
平常点は、観点別評価のなかの『主体的に学習に取り組む態度』に深く関わる部分。
授業中に寝るのはもってのほか『丸写しの提出物』も、主体性がないとみなされるかもしれません。
先生も『写す人写される人』を把握してるようで…
「〇〇くん(息子)は写される方ですね」と、三者面談でいわれたことがあります
また、定期テスト(素点)と平常点の割合は『7 対 3』というのが一般的。
ですが、おもに進学校では『成績重視』底辺校では『平常点で救済措置』の割合になる傾向です。
- 進学校 → 定期テスト8割:平常点2割
定期テスト9割:平常点1割 - 中堅校 → 定期テスト7割:平常点3割
- 底辺校 → 定期テスト6割:平常点4割
定期テスト(素点)と平常点の割合は、学校別のほか校内のコース、教科や科目によって異なることもあります。
自分は平常点が何割なのか?
を把握し、細かい対策を立てることで『平常点の高評価』にもつながります。
④副教科も手を抜かない
高校の評定平均は『主要教科』『副教科』どちらも重みは同じです。
副教科も、他の教科と同様に力を入れて取り組みましょう。
副教科については学力差がないので、実質横一線のスタート!
ほとんどの人が主要教科に力を入れるため、学年上位も狙えるチャンスです。
⑤評定の低い教科に力を入れる
高校の評定平均を確実に上げるには『評定の低い教科に力を入れる』のも有効です。
評定をおなじ『1』上げるのにも、『上げやすい』『上げにくい』場合があります。
- 評定を『1』上げる難易度
- ・難易度大 → 評定4 から 評定5 へ
・難易度中 → 評定3 から 評定4 へ
・難易度小 → 評定2 から 評定3 へ
評定2がある場合は、努力次第で2~3評定が上がる可能性も
よい評定は維持しつつ、上がる可能性のある科目はより力を入れましょう。
高校の評定平均の出し方
高校の評定平均の出し方は
対象範囲の評定を足し合わせ、その対象となった科目の合計で割る
シンプルなもの。
大学入試で必要となる『調査書』には、高校の評定平均も記載されます。
- 出身校または在学中の高校で発行される書類
- 入学志願者の学業成績、特別活動の記録、出欠状況などが記載されたもの
- 学校推薦型選抜・総合型選抜・一般選抜すべての出願時に必ず提出する
調査書に記載される評定平均は、出願前までの成績が反映されるため
- 学校推薦型選抜・総合型選抜 → 高3 1学期まで
- 一般選抜 → 高3 2学期まで
- 既卒生 → 高3 学年末まで
と、対象となる成績範囲が変わる点には注意が必要です。
学校推薦型選抜・総合型選抜の評定平均の出し方は以下のとおり↓
高1高2の学年末と高3 1学期の評定を足し合わせ、それまでに履修した全科目数で割った数が『評定平均』です。
小数点以下第2位を四捨五入するため、3.8 や 4.2 といった数で表されます
実際に、高1と高2の評定平均を出してみましょう。
以下の表は旧課程の科目もありますが、評定平均の出し方は同じです
まずは高1から↓
科 目 | 国 総 | 世史A | 数 Ⅰ | 数 A | 化 基 | 生 基 | 体 育 | 保 健 | 音 楽Ⅰ | コ英Ⅰ | 英表Ⅰ | 社 情 |
評 定 | 5 | 4 | 5 | 4 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 | 4 | 4 | 5 |
計12科目。評定をすべて足すと 52 あります。
評定の合計 52 から科目数の合計 12 で割ると
52÷12=4.33
小数点以下第2位を四捨五入するので 4.3
よって、高1の評定平均は『4.3』になります。
同じく高2の評定平均もだしてみましょう。
科 目 | 現文B | 古典B | 地理B | 現 社 | 数 Ⅱ | 数 B | 物 基 | 化 学 | 体 育 | 保 健 | 音 楽Ⅱ | コ英Ⅱ | 英表Ⅱ | 家 基 |
評 定 | 4 | 4 | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 4 | 5 | 4 | 4 | 3 | 4 | 5 |
計14科目。評定をすべて足すと 57 あります。
評定の合計 57 から科目数の合計 14 で割ると
57÷14=4.07
小数点以下第2位を四捨五入するので 4.1
よって、高2の評定平均は『4.1』になります。
ここまで高1高2の2年間の評定平均を計算すると
(52+57)÷(12+14)=4.19
よって、高2までの評定平均は四捨五入して『4.2』です。
このまま高3でも評定平均4.0以上をキープするとなると、すべての科目で評定4以上をめざす必要があります。
高3は、多くても定期テストが2回しかありません
難易度高め、かつ失敗すると挽回が効かないので、高1高2のうちにできるだけ評定を上げておくことが重要です。
【高校の評定平均】一般選抜は関係ない…こともない
高校の評定平均は一般入試には関係ないよね―
一般選抜で受験する多くの高校生が『評定平均は関係ない』と、1度や2度聞いたことがあるでしょう。
推薦型選抜ほどの効力はないのは確か。
ですが、2022年に学習指導要領が改訂したこともあり『調査書を点数化』する国公立大学も増えています↓
【駿台予備学校】2024年度 調査書を点数化(段階評価)する国公立大学
評定平均も記載される調査書を
☑ 大学2次試験の加点対象とする
☑ 合否ボーダーに利用する
という大学が、増えつつある傾向。
受験大が調査書を利用するかは、大学の『学生募集要領』などで確認できます
配点が少なくても、大学入試は『1点』でも多い人が勝ち。
一般選抜受験でも、高校の評定平均を上げる努力はしておくほうが賢明です。
【評定平均】高校の『レベル』より0.1でも上げる努力を
推薦型選抜で大学合格を勝ち取りたいあなたへ
- 評定平均は高校のレベルで扱いが変わるのか
- 確実に評定を上げる方法
- 高校の評定平均の正しい出し方
など、知って得する情報をお伝えしました。
さいごに『確実に評定を上げる方法』をおさらいします↓
- 自校の評定基準をしっかりと把握する
- 高1、高2のうちに評定を稼ぐ
- 成績以外の『平常点』で高評価をもらう
- 副教科も手を抜かない
- 評定の低い教科に力を入れる
評定平均は、あなたの高校生活を評価する指標ともなる、大切なものです。
推薦型選抜はもとより、一般選抜受験者も評定は高いに越したことはありません。
高校の『レベル』を気にする前に、評定平均を0.1でも上げる努力は惜しまずに…
この記事が、評定平均でお悩みのあなたの少しでも参考になれば幸いです。
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